紛争の予防対策PREVENTION

事業承継

事業承継に備えることは必要不可欠

相続を争族としないために、遺言作成が必要なことは、遺言作成のコーナーをご覧ください。
ここでは、相続の中でも会社支配権の次世代への戦略的承継(例えば、ご長男へ会社支配権を譲渡したい場合)を必要とする場合の法的手続き、事業承継についてご案内いたします。
会社の支配権をめぐって長男と次男がいがみ合い、争うようなこととなれば、親族内の人間関係だけでなく、会社の存続や事業の継続さえもが危ぶまれる事態となりかねません。
事業承継に対する配慮をしていくことは、大事な事業計画の一環であり、全ての経営者が考え、備えておくべきことではないでしょうか。

事業承継の方法

事業承継の方法としては、(1)親族内承継、(2)親族外承継、(3)M&Aの3つがあります。
(1)親族内承継 オーナー経営者の子息子女に承継させるもの
(2)親族外承継 親族でない役員や従業員、外部から招聘した者に承継させる方法
(3)M&A 第三者に事業を売却等するもの
このうち、親族内承継と親族外承継による場合、遺言など相続法との関係性が強くなります。

親族内承継は、経営権と財産権の利害調整

事業承継、特に親族内承継による場合、相続財産を経営権と財産権とに分け、双方を相続人に適切に分配して、利害を調整する必要があります。
あなたの後継者には、経営権(議決権のある株式と事業資産)を残し、後継者以外の相続人には財産権(議決権のない株式や非事業用資産)を残すという方法が一般的です。
このためには、会社の現状分析、企業価値の把握による株式評価も含めた財産の適切な評価、相続人の範囲、法定相続分、遺留分(民法1028条)、特別受益(民法903条)、寄与分(民法904条の2)についての遺産分割手続きの経験も踏まえた適切な知識、会社組織法に関する法的知識が要求されます。
なお、極めて限定的ではありますが、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」が適用される場合、遺留分について特例を受けられる場合があります。

報酬体系(事業承継手続きを必要とする場合を除く)

親族内承継の場合、遺言作成の報酬体系に、企業の規模に応じた事業承継加算金を頂戴するのが基本的な枠組みとなりますが、加算金の額は、企業の状況等に応じて検討する必要があるため、案件ごとに個別にご提案させて頂くことになります。

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