法律相談CONSULTATION

会社経営・労働問題

未払い残業代、解雇等の労働問題事件(労働者側、使用者側とも)
売掛金請求、クレーム対応等の会社経営にまつわる事件

取引相手が売掛金を支払ってくれません。回収するにはどうしたら良いでしょうか。

内容証明郵便(配達証明付が好ましい)をまずは送付してみることから始めます。弁護士に委任し、弁護士名で送付すると、より回収に対する本気度を相手方に理解してもらいやすいようです。それでも支払いがない場合は、支払い督促手続きや民事調停手続きの利用が考えられます。いずれも裁判所を利用する手続きですが、訴訟よりは簡易な方法です。もちろん、これらの手続きを経由せずに訴えを提起することも可能です。訴えを提起(督促手続き含む)するにしろ、調停をするにしろ、相手方と話し合いがまとまる可能性もあります。その場合は、分割払いを認める一方で、保証人や担保を取る、或いは手形を振り出させるなどの債権保全措置を取っておくことが重要です。

契約書の作成で留意すべき事項はどんなことでしょうか。

契約書は、契約の相手方との合意事項を書面化した物です。合意の内容を一義的で分かりやすい文言で整理して書くことが重要です。内容的には、取引条件、履行時期などの記載はもちろん、解約できるのであればその条件(ペナルティ等)、契約関係終了の際の後始末の方法、債務不履行の場合の損害賠償額の予定など、契約関係がうまくいかなくなった場合にはどうするのかということも踏まえて作成することが必要です。色々な事態を想定し、その対処法を予め明確に整理しておくということかと思います。

従業員の不正が発覚しました。どうしたら良いでしょうか。

横領などの不祥事が発生した場合、刑事的な対応、民事的な対応の双方が考えられます。いずれにしても、まずは総損害額の確定を含めた事実関係の正確な把握が必要です。刑事事件にすると、事件の内容や規模によってはマスコミ等により報道され、会社に無用な不利益を被らせることもあり得ます。また、不正を行った従業員側も、できれば刑事事件にはしたくないという気持ちがありますので、被害弁償をきちんとするのであれば刑事事件にしないということで、相手方に賠償を促すということが考えられます。従業員へのけじめという意味で、毅然と刑事事件にするという対応も勿論考えられます。刑事事件になった場合にも、従業員側は少しでも刑を軽くするため、被害弁償を何とかしようと努力する場合が多いので、刑事事件を通じた被害弁償というのも十分にあり得ます。民事的な対応としては、不正を行った従業員そのものに被害弁償の資力があることは稀ですので、身元保証人や近親者など、従業員以外の者からの弁償を期待するしかないのが現実です。

職場で事故があり、従業員が負傷しましたが、その補償等はどうなるのでしょうか(労災と損害賠償)。

職場で従業員が怪我をした場合、労災事故の認定が受けられれば、労災保険上の補償等を労働者は受けられます。ただ、労災補償があるからと言って使用者の責任が全てなくなるわけではなく、使用者側も安全配慮義務違反を理由とする損害賠償責任を負うことになり、損害賠償責任中、労災補償で賄えなかった部分については、支払い義務を免れません。

試用期間の意味

半年以内程度の試用期間を設けて雇用することが一般的に行われています。試用期間は、解約権留保付の雇用とされ、一般的には試用期間中であれば使用者側が自由に解雇をできるかのような捉え方をされていますが、判例上は、試用期間中の解雇(本採用拒否)についても、採用段階(面接等)では会社側が把握できなかった重要な事項が分かった場合など、相応の合理的な理由が存在しない限り、解雇(本採用拒否)を認めてくれない印象です。

会社が残業代を支払ってくれません。残業代の仕組みを教えてください。

残業代を請求する場合、2年の時効があります。従って、2年以上前の残業代を請求するのは困難です。会社を退職した場合には、退職後、年14.6パーセントの遅延損害金が付きます(賃金の支払いの確保等に関する法律)。また、未払いの残業代を請求する訴えを提起した場合、判決では裁判所が未払い残業代以外に、最高で未払い残業代と同額の付加金の支払いを命じる場合があります。つまり、未払い残業代の2倍の金員の支払いを命じる場合もあり得るのです。

会社を解雇されましたが、解雇されるような理由はないと思います。会社と争う場合、どのようになりますか。

会社と解雇の無効を争う場合、まず解雇が無効であることを前提に、賃金の仮払いを求める仮処分の申し立てを行うことが考えられます。実務的には、この仮処分申立に対する審理の中で、退職金の上積みと引き換えに自主退職することを受け入れるなどの和解がなされることも多いです。判例上、労働者を解雇するにはかなり厳しい要件をクリアすることを求められており、正当な解雇として解雇が認められる場合というのは限られている印象です。期間が定められて雇用されている労働者の場合でも、更新が繰り返されている場合等には、更新をしない(雇止め)ことに合理的な理由を求めるなど、実質的な解雇に対する制限を加えています。

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